主要政策のご紹介 10

 ■ 真の男女共同参画を目指して



  なぜ取り組むか――日弁連の男女共同参画の現状

日弁連は、2019年度から女性副会長クオータ制を開始し、すでに女性理事クオータ制の導入も決定しています。もっとも、近年の女性理事の割合は10%前後ですから、政府の数値目標(下欄参照)については道半ばです。
そこで、日弁連の現状に目を移すと、女性会員の比率は2001年にはじめて10%を超えた後、20年かけて少しずつ上昇してきましたが、それでも、2019年12月時点の女性会員の比率は18.9%であり、20%にも満たないのです。この基礎的な数字のアップに向けて、現状を直視する必要があります。

■ 男女共同参画への思い

川上 明彦

 男女共同参画というと「202030」――社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする政府目標――のように、男女比率に関する数値目標が示されるのが一般的です。

 たしかに数値目標を掲げた運動は効果的ですが、私が思う男女共同参画の真髄は、単なる数字的な均等ではなく「あなたは男性だから、あなたは女性だから、こうあるべきだ。」という社会の固定観念やしがらみからの解放にあります。

 なお、私の男女共同参画への取り組み は、私が小学生の時に母が働き始め、 父との収入のバランスが取れ、女性が 経済力を付ける大事さを身に染みて感 じた原体験に支えられています。

  男女共同参画の実現に向けた4つの課題

日弁連は、我が国屈指の人権擁護団体であり、社会の木鐸として男女共同参画を実現すべきです。

●女性会員の会務・業務に関する環境の整備

持続可能な男女共同参画のためには、環境整備が不可欠です。女性のライフプランの多様化の中、まずは出産育児や家事・介護の負担への対応からです。ICT化の時代に「会館に行って会議に出席する」という会務の在り方は時代錯誤です。日弁連も単位会も、委員会や総会におけるWebVR会議などのICT利活用を、積極的に推進するべきでしょう。この取り組みは、テレワークなど業務における時間・場所の自由化にもつながります。その他、職務上の旧氏名対外使用時の不便解消など、きめ細かい整備が必要です。

 

●女性弁護士の経済基盤強化等

まだまだ日本は男性社会であり、仕事の面での女性のハンディを感じます。日弁連には、ポジィティブな活動が必要です。法テラス報酬の適正化のほか、202030に乗って、例えば女性会員の社外役員選任による経営メリットを社会に発信展開する必要があります。

 

 

●女性の弁護士志願者数増加に向けた対策

司法試験合格者の女性割合が約4分の1に留まる一方、企業内弁護士については女性比率が40%を越えています。女子学生に対する広報を強化するとともに、法律事務所を女性が働きやすい職場にするための業務改善に取り組む必要があります。

 

 

●日弁連会長に女性や多様な適任者を選出しやすくするための選挙制度改正

日弁連会長選挙は、所属会を問わない多様な適任者(もちろん女性を含みます)が立候補しやすい選挙制度に改正すべきです。例えば、半年ほど公開討論を重ね、これらをライブ中継をして全国4万人余の会員が候補者予定者の意見や人間性にじかに触れて判断できるようにしたら、どうでしょうか。旧来の会長選挙は、事実上、経済的・時間的負担が大きいばかりでなく、一部派閥の調整により候補が絞り込まれてきたという点で、明らかに時代遅れです。人格識見が豊かでトップリーダーにふさわしい弁護士は、全国にいます。